早いもの勝ちの特許権
2021.10.16
この記事のまとめ
外国人でも、差別なく権利を認めましょうというのが、国際的なハーモナイゼーションで、近年は認められてきています。
日本が加盟している国際条約は、特許に関しては、パリ条約と特許国際協力条約(PCT)の2つがあります。
大体、1か国に外国出願するのに、100万円かかるとしたら、10か国に出願したら1000万円です。
国際条約を使うメリットとしては、各国ごとの実務に合わせた外国出願ができます。
しかも、優先的に取り扱ってくれる特別の期間を、優先期間として、各国で認めてくれるんです。
国際条約を使うデメリットは、それでも最初の出願から12ヶ月で全ての出願国を決定する必要があります。
よっしー社長
特許になるための条件に、先に出願した者であること、というルールがあります。
中学生リサ
特許って、初めに考えて申請した、早いもん勝ちのルールなの?
新入社員ショウ
それって、世界中で、早いもの勝ちなんですか?
よっしー社長
このアイディアを、早く申請した人のみが、特許を取れるんですね。これは、世界の他の国でも、いまは同じ考え方です。
中学生リサ
そうしたら、世界で特許を取りたい人は、なるべくすぐに、世界中で申請しないとダメなんですか。
新入社員ショウ
それだと、ハードルが高いですよね。
よっしー社長
そうなんだね、他の国で誰かが、特許を出願しちゃうと、もうダメなんです。その人に特許を取られちゃうんですね。
どの国で独占したいのかって、その発明のビジネスが、どこでマッチするかだね。
特許権を海外で取得できたら、その発明のビジネスを、あなただけが独占することができます。
発明ってどうやるかというと、考える!だけなんですよ。
肉体労働でもないですし、考えるのにコツとかもありません。
ご自分のいままでの経験や要望からくる、ひらめき、なんですよね。
そのアイディアを、海外で独占できれば、ビジネス化につながりますよね。
でも、日本で考え出したアイディアが、外国のどういった国で受け入れられるかを考えるのは、非常に重要な判断です。
さらに、どこの国も、自国の国民に優遇した対応をしたいですよね。
外国の優秀な人だけが、権利やビジネスを独占しますと、自分の国の国民が、やる気を無くしちゃいますからね。
そういった、外国人でも、差別なく権利を認めましょうというのが、国際的なハーモナイゼーションで、近年は認められてきています。
特に、日本が加盟している国際条約に決められた手順を踏めば、その国に住んでいる人たちと、同じ条件で早いもの勝ちの特許になるための条件をクリアすることができるんです。
日本が加盟している国際条約は、特許に関しては、パリ条約と特許国際協力条約(PCT)の2つがあります。
意匠についてはさらにハーグ条約が、商標についてはマドリッド協定というものがあります。
気になる費用は?
外国へ特許申請するには、翻訳したり、外国の書類の準備とか、費用とか、いろんなことに時間がかかります。
しかも、どの国に出したいのかって、どこの国に、その発明のビジネスがマッチするか、考えないといけないですよね。
大体、1か国に外国出願するのに、100万円かかるとしたら、10か国に出願したら1000万円です。
特許になるかどうかわからない発明に、一気に、1000万円を出せますか?
それも、早い者勝ちのルールでやるって、不可能ですよね。
そこで、パリ条約で、始めて、優先権という考え方ができました。
パリ条約ルートでは、日本出願をしたら、その日から12ヶ月以内に外国出願をすれば、優先的に保護されます。
つまり、はじめにパリ条約に加盟している国に出願をしたタイミングで、パリ条約に加盟している外国での出願も、優先的に保護するようにしましょう、ということにしたんです。
だから、優先権っていうんですね。
外国出願のメリット、デメリット
もちろん、メリット・デメリットというものはあります。
メリットとしては、各国ごとの実務に合わせた外国出願ができます。
しかも、優先的に取り扱ってくれる特別の期間を、優先期間として、各国で認めてくれるんです。
その国に住んでいる人と、同じ条件で競争できるんです!
デメリットは、まあ、それでも最初の出願から12ヶ月で全ての出願国を決定する必要があります。
やっぱり、12ヶ月で全ての準備をするのは、難しいですね。
しかも、そもそも、その発明が、その国で、特許になるかどうかもわからない段階で、大きな判断をしなければならないのです。
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