もはやここまで来ている!ブランドの横取りビジネス。

2021.10.11

この記事のまとめ

東南アジアでは、未だに知的財産権に関する消費者の意識の低さや、海賊版の横行等の商慣習から、知的財産権の侵害が広く容認されています。
そのような状態を放任していたために、もう一歩進んで、現地の人たちが、勝手に、日本の有名な商標を登録してしまう事態になっています。
日本ブランドと関係ない人が、冒認申請するのもありますが、もともとは、日本ブランドの現地代理店や、元従業員などの関係者が申請しているケースも多いのが特徴です。
争って勝訴しても、すぐに正当な権利者でも登録はできず、10年近くは、ニセモノ品の販売は止められないのが実情です。
ベトナムの場合は、鑑定書を先ず取得して、その後、裁判所あるいは行政執行というアプローチが増えて来ています。
このアプローチを、日本の大企業は、ほとんどしらないので、是非、知っておくべきでしょう。

よっしー社長

東南アジアでは、いま日本の有名な商標が、勝手に横取りされてしまっているんですよね。

中学生リサ

えー!、そんなことしていいの?

新入社員ショウ

ずいぶん前に、中国で、日本の有名な商品や地名が登録されていると報道がありましたよね。

よっしー社長

中国では、当局が、取り締まったおかげで、いまは下火になりましたが、東南アジアでは、いま、そのような被害が急増しています。

中学生リサ

日本の漫画やアニメとかも、勝手にコピーされているのかな。

新入社員ショウ

漫画やアニメだけではなくて、自動車やエアコンのメーカー名が、関係ない現地の人に商標登録されているって聞いたことがありますね。

よっしー社長

そうなんですよね、他にも電気メーカーや商社などの名前も、関係ない現地の人に商標登録されています。こういう、第三者の乗っ取りをビジネスにしている人たちがいるんですよね。

東南アジア諸国の強かな外交政策。

東南アジアでは、いま日本の有名な商標が、勝手に横取りされてしまっているんですよね。
ベトナム、インドネシアやタイでも、同様のケースが多発しています。
東南アジアでは、知的財産権に関する消費者の意識の低さや、海賊版の横行等の商慣習から、知的財産権の侵害が広く容認されています。
そのような状態を放任していたために、もう一歩進んで、現地の人たちが、勝手に、日本の有名な商標を登録してしまう自体になっています。
少し前に、中国でお米の品種の名前が、登録されたというニュースがありましたよね。
中国では、当局が、取り締まったおかげで、いまは下火になりましたが、東南アジアでは、いま、そのような被害が急増しています。
でも、東南アジア諸国も知的財産権保護のマドリッド議定書の加盟国で、知的財産権の保護の国際的な枠組みに参加しています。
日本企業も特許庁を通じて、国際登録を受けてるでしょ、と思いますよね。
つまり、知的財産権に関する国際的な枠組みには、入っているのです。
一つ問題なのは、東南アジア諸国の強かな外交政策です。
ベトナム、インドネシアやタイも、アメリカの米国通商法スーパー301条の「優先監視国」あるいは「監視国」に選定されています。
知財保護が不十分な国や公正かつ公平な市場アクセスを認めない国を特定するものなんですね。
これらの国は、もうすでにアメリカからは、監視対象の国々なのです。
自国の経済およびビジネスを保護したいので、実際のところは、知財保護には踏み込めないのですが、「優先国」に特定されるとアメリカの調査及び協議が開始され、協議不調の場合には制裁が課せられるので、それは逃れたいのです。
つまり、日本に対しては、米国通商法スーパー301条の対象には、直接なりえないのです。

急増している、冒認申請。

日本企業も、東南アジアをそれほど重要なマーケットと、長らく認識していなかったんですよね。
生産拠点としては、昔から、日本企業は、タイに進出していましたけれども。
ここ5年で、ベトナムやインドネシアは、注目されるマーケットになってきていますが、日本人は、東南アジアはシンガポールに知財の権利を持っていたら、それで十分と思っている期間が長かったのです。
それに加えて、日本企業は、知財のコストを、過去20年以上に亘り、減らし続けてきたので、外国での権利取得や維持に消極的です。
そんなところに、中国からベトナムへ、世界の工場のポジションが徐々に移り、国内の所得水準が上昇しています。
いまや、ホーチミンやハノイに行くと、日本の高島屋があって、そこでベトナム人が、日本のブランドを好んで購入しているのです。
日本食や洋服などのファッションも、ベトナム人に人気です。
ベトナム、インドネシアやタイの人たちは、日本のブランドが好きなんですよね。
この点、欧米のブランド好きなフィリピンやマレーシアと異なります。
日本食だけではなくて、日本の文化やファッションも、これらの国では、非常に人気です。
このような現地のトレンドを、現地の人たちは、敏感に捉えられますよね、日本にいる本社の人たちに比べると。
まったく、日本ブランドと関係ない人が、冒認申請するのもありますが、もともとは、日本ブランドの現地代理店や、元従業員などの関係者が申請しているケースも多いのが特徴です。
冒認申請というのは、第三者が他人の権利を盗み、その内容で出願を行うことをいいます。
もちろん、彼らは商標や著作権を基にビジネスをするので、現地の人からすると、本物かどうか、見分けがつかないんですよね。
いま平均所得が高額化した中国から、未だに安かった東南アジア諸国へ、世界の工場のポジションが徐々に移りました。
これにより、ここ5年で、東南アジア諸国の所得水準が上昇しています。
日本へ労働ビザを取得して帰国したベトナム人やタイ人も年々増加しており、このような人たちは、日本の製品の良さを知っているので、日本製を購入するんですよね。
品質の悪い国内製は、もはや彼らの要望には沿わなくなってるんですね。
さまざまな理由があるのですが、商標の冒認登録のトレンドは、止まりそうにありません。
でも、東南アジアでも、不正な商標の取り下げ審判とかの対抗措置はあるはずでしょ、と思いますよね。
多くの日本企業も、同じように考えていて、不正な商標の取り下げ審判をベトナムの特許庁に申請しています。
しかし、外国のみで有名だと、なかなか取り消しの判断を得られないのが現状です。
ベトナム国内で有名であることを証明しなければなりません。
しかも、審判には、少なくとも3年くらいは掛かってしまいます。
そして、勝訴しても、すぐに正当な権利者でも登録はできず、5年間待たなければ、自らの商標を登録申請できません。
つまり、結局のところ、8年以上は、ニセモノ品の販売は止められないのです。
このようなビジネスをしている人たちは、おおよそ東南アジアの有名商標は取れたので、いまはインドの登録を行う準備をしています。
中国から始まり、東南アジア、そして、インドと、もう冒認ビジネスのロードマップができているんですよね。
ここまで、来ているんですよね、冒認ビジネスって。

少なくとも1億円以上の値段を、相手から申し渡される。

東南アジアに進出しようという日本企業が、こういった冒認ビジネスの相手に、自分たちの商標権を取られてしまっているのを、始めて目のあたりにするのです。
多くの場合に、相手の商標の取り下げか、あるいは、購入を交渉することになるかと思います。
もちろん、相手は、ビジネスですから、そう安くは売ってくれません。
多くの場合は、少なくとも1億円以上の値段を、相手から申し渡されるケースがほとんどです。
そんなお金を、支払うことができる、日本企業は、多くなハイですよね。
結局のところ、東南アジアへの進出を断念せざる得ないということになってしまうのです。
このような状況で、ベトナムでいま脚光を浴びているのが、ベトナム特許庁による判定書です。
日本でも、判定制度というのはあるのですが、法的に拘束する力がないので、ほとんど使われていません。
しかし、科学技術に関する研究開発の他に、知財に関する調査をVIPRIという関連機関が実施している判定には、法的な拘束力があるんです。
VIPRIは、侵害事件や行政執行を行う前に鑑定書の作成も行ってくれます。
鑑定書は裁判所や行政執行機関に証拠として採用される可能性が高く、過去10年で5000件の鑑定書を作成しており、法的拘束力が認められています。
つまり、鑑定書を先ず取得して、その後、裁判所あるいは行政執行というアプローチが増えて来ています。
このアプローチを、日本の大企業は、ほとんどしらないので、是非、知っておくべきでしょう。
ベトナムでは、知的財産権に関する消費者の意識の低さや、海賊版の横行等の商慣習から、知的財産権の侵害が広く容認されています。
さらに、元関係者による冒認商標の登録が、後を絶ちません。
このような対応に、判定書を活用するのが有効だと思います。

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