マネタイズの可能性を向上させる、アメリカ特許の仮出願!
2021.07.14
仮の出願って、何でしょうね?
日本には、全くない制度です。
アメリカにおける出願日の確保
アメリカの仮出願制度とは、通常の特許出願の条件を満たさない簡単な形式でも出願として、認めてくれる制度です。
例えば、出願の期限が迫っていて、英語の書類を作成している時間がないときに、緊急的に日本語で申請するときに使用されていました。
つまり、仮出願の目的は、アメリカにおける出願日の確保なんです。
仮出願をしておけば、発明は完成したものの、クレームや明細書を整備する時間がない場合に、出願日を確保して第三者に有利に立てます。
早いもの勝ちの世界
特許の世界は、早いもの勝ちの世界なんですよね。
その国で、先に申請した人が、世界の他の人よりも優先されるのです。
我々は、これを先願主義と呼んでいます。
今は、ほとんどの先進国は、先願主義なんですよね。
よく使われるやり方としては、日本でその発明を搭載した商品を発表をしなければいけないのだけれども、アメリカで保護されるかどうかわからない場合などです。
つまり、米国特許法の102条(b)によれば、1年間のグレースピリオドという期間に、開示されたものは一定条件下で、先行技術にはならないという規定があります。
この開示という定義が、依然として曖昧なので、発明のアメリカ国外での開示と前後して、仮出願するというケースが多いです。
発明の開示がなされたかを争うまでもなく、仮出願の日が最も早い出願日として、確定するのです。
仮出願の有効な使いかた
僕は、この様な使い方以外に、もっと積極的に、アメリカの仮出願制度を活用した方が良いと思っています。
特に、改良が短期間にどんどん期待できる案件について、有効に仮出願を利用することで、費用削減ができます。
皆さん、日本の出願をした後に、製品を実際に作ってみたり、サービスを開始してみて、ここは改良したほうが良いよな、という点がいくつも出てくるのが普通なんですよね。
どんどん出願日を先取りできる!
仮出願制度のメリットは、明細書及び図面のみあれば足り、請求項も宣誓書も譲渡証も必要ないところです。
しかも、日本語でアメリカの出願日が確定しちゃんですよね。
そのため、日本出願をそのままコピペして、仮出願として先ずは出願します。
そして、その内容に追加する図面を簡単な明細書とともに、仮出願で出していきます。
そうすると、改良したほうが良い部分は、どんどん出願日を先取りしていけるんですよね。
一方で、仮出願は、審査されずに、出願後12カ月後には自動的に放棄されたものとみなされます。
そのため、出願人は、仮出願から12か月以内に、仮出願に基づく利益を主張して、通常の出願をする必要があります。
仮出願は、補正などできないのですが、通常の出願をする際に、複数の仮出願をまとめて、1つの通常の出願にすることができます。
そのため、日本出願をそのままコピペして、仮出願として出願したものに、追加する図面を簡単な明細書とともに、仮出願で出したものを、1つにまとめて通常の出願にするのです。
このような出願を行うことで、1つの通常の出願の手間と費用で、複数のアイディアを含めた出願が簡単に行うことができます。
継続出願の合わせ技で、マネタイズに有利
一般的に、さまざまなアイディアを含んだ出願を行う方が、継続出願制度のあるアメリカでは有利です。
日本に1つの特許出願を行うだけでは、ほぼマネタイズの可能性はありません。
損害賠償金の高額なアメリカに複数の特許を取得して、はじめてマネタイズの道が開けるのですが、その手間と費用はなかなか難しいものがあります。
そこで、複数の仮出願をまとめて、1つの通常の出願にしつつ、その後に、必要に応じて、継続出願で分割していく方が、費用を最低限に抑えつつも、マネタイズの可能性を向上させることができます。
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