ニセモノ品をネットで買ってしまった経験は?
2021.10.22
この記事のまとめ
最近のネット販売(EC)の急拡大を背景に、模倣品の輸入は増加しています。
今後は、個人使用目的で輸入した物品であっても、日本の税関では没収対象になります。
輸入目的に関係なく、海外事業者が模倣品を国内に流入させることを、商標権を侵害する行為と位置付け、税関で没収できるようにしたいのです。
模倣品ビジネスは、正規品のブランドを展開している企業と、同じような世界規模のビジネスモデルになってきています。
本物の品を買うつもりで買った人が、偽物の品をつかまされて、しかも、本物だと思って使っている被害も急増しているんです。
築き上げてきたブランドが、ハイジャックされてしまっているんです。
よっしー社長
コロナ禍で世界中の模倣品のネット流通が急増しています。
中学生リサ
えー、そうなの?ウチじゃあ、ママは、ほとんどネットで買っているよ。
新入社員ショウ
一度、ネットで買い物した商品が、偽物品だったという経験がありますよ!でも、そのままにしちゃったかな。
よっしー社長
実は、ネットでの買い物が増えたことで、 流通している商品の中に偽物品が急増しているんです。
新入社員ショウ
せどりとか、個人で輸入する場合は、どうなるんですか?知らないで、輸入している分には、セーフなんでしょうか?
よっしー社長
これからは、個人で輸入している人にも、商標権や著作権の侵害罪が適用されることになるかもしれませんね。
新入社員ショウ
気を付けよう。。。
模倣品の輸入は増加。
皆さんも、一度は、ネットで買い物した商品が偽物品だったという経験はありませんか?
最近のECの急拡大を背景に、模倣品の輸入は増加しています。
商標権侵害を含む知的財産侵害物品の税関での輸入差し止め件数は、2020年1~6月で、前年同期比18.7%増の1万5344件でした。
このため、日本政府は、最近、海外から流入する偽ブランド品など模倣品の取り締まりを強化する方針を固めました。
商標権を侵害している場合は、いままで個人使用目的で輸入した物品は、取り締まりの対象ではなかったのです。
しかし、今後は、個人使用目的で輸入した物品であっても没収対象にする方向になるものと思います。
もちろん、これをするためには、関連する法律の改正案をまとめなければいけません。
この点に関して、2012年の通常国会提出を目指すそうです。
すでに、特許庁は商標法、財務省が関税法の改正に向け、それぞれ議論を開始しています。
輸入目的に関係なく、海外事業者が模倣品を国内に流入させることを商標権を侵害する行為と位置付け、税関で没収できるようにするようです。
今のところ、輸入する個人への罰則は科さない方向のようですけれども。
お隣の韓国特許庁は、オンラインでの模倣品に対する通報件数が204.4%と、2倍以上に急増しています。
また、偽物が広く流通しているタイでは、模倣品の急増が社会問題化しています。
何と、オンラインでの模倣品に対する通報件数が、4倍以上に急増している模様です。
いや~、大変な時代になってきましたね。
今の時代、人員が足りないのは、医療従事者のみならず、模倣品摘発関係者も。
他の犯罪と同じように、関連する法律を改正して、どしどし取り締まっていけば良いじゃない、思うかもしれませんよね。
しかし、コロナ禍で世界中の模倣品のネット流通が急増してしまい、マンパワーが圧倒的に足りなくなっています。
お隣の韓国では、捜査人材の不足により、通報件数の2.8%しか捜査に着手することができないそうです。
そのため、未処理通報件と内部からのモニタリングに対して、ウェブサイトの閉鎖などの販売制裁措置を取っている状況のようですね。
実際の摘発までは、もうできないので、ネット上での販売を、仮想店舗を閉鎖せることで対応するしかないというところまで追い込まれています。
模倣品を販売している側は、また、別アカを取って、販売を再開しますので、モグラたたきですよね。
日本の税関は、タイなどの税関へ、日本の税関スタッフを毎年送って、現地での指導などを行っています。
ただし、毎年1-2名の限られた人員しか送れていません。
一方で、日本の特許庁や弁理士会も、東南アジアの特許庁や現地のJETROに、審査官や弁理士を派遣しています。
模倣品の製造メーカーというのは、グローバルに増加していて、1か国の対応では、適切な対策ができなくなってきています。
かつては、特定の工場が、偽物品を単独で製造していて、その工場を通じて、偽物品の売買が行われていました。
そのため、その工場を摘発すれば、模倣品の流通は止まるという構造でした。
しかし、いまは、模倣品を製造している工場は、自分たちが本物を作っているか、偽物品を作っているか、わからないケースが多いんです。
何が起こっているかというと、模倣品のビジネスオーナーは、グローバルに展開してきていて、工場と倉庫と本社がそれぞれ、別会社で、模倣品の発注と販売を、分けているんですよね。
つまり、模倣品オーナーのいる本社は中国や台湾で、製造拠点は、ベトナムやインドネシアの外部工場で製造を行わせ、倉庫はカンボジアやフィリピンにおいているケースなどが多いんです。
もはや、正規品のブランドを展開している企業と、同じようなビジネスモデルですよね。
「あれ、セールかな?」と間違えて、ニセモノ品を買ってしまう。
購入している側も、ある程度、偽物品かもしれないと思って、買っているんじゃないと思う方もいるかもしれません。
消費者の中にも、偽物品を購入したいニーズがあって、値段が、もうすごい安いから、偽物かどうかなんて、気にしてないんじゃないの、って言う訳ですよね。
確かに違法だけれども、消費者ニーズがある、一過性のビジネスに過ぎないんだから、ほっとければ、いままでの香港や韓国みたいに、ニーズが減るでしょ、というコメントも確かにあります。
でも、実際の偽物品の世界では、正規品のメーカーが外見だけでは判別できないレベルの模倣品が、正規品の2割引きくらい安い価格で売っています。
たとえば、2割くらい安い価格だったら、「あれ、セールかな?」と間違えて買ってしまいますよね。
さらに、商品本体だけではなく、包装部材なども、徹底的に似せてきます。
このように、本物品を買うつもりで買った人が、偽物品をつかまされて、しかも、本物品だと思って使っている被害も急増しています。
メーカーからすると、たまったもんじゃないですよね?
実質的に、売り上げを奪われてしまっているんですから。
いままでは、まあ有名税だよね、とメーカー側も傍観できたのが、基幹商品の精巧な模倣品が出回ってしまう訳ですから。
しかも、東南アジアなどのマーケットでは、精巧にできた偽物品の方が、もはや本物品よりもシャアが高い状況が、普通に出来上がってしまっています。
恐ろしい状況です。
築き上げてきたブランドが、ハイジャックされてしまっている訳ですよね。
御社の製品を、
海外の悪質なパクリから守ります。