知財でイノベーションをおさえるのに役立つツール 「知財ミックス戦略」

2021.06.23

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顧客が体験した価値を、デザインやブランドとして、意匠や商標などでおさえると、自社に優位な立場を確立できます。
加えて、モノつくりで製品化した商品の核となる技術を、特許などの知財でおさえることも、従来通り重要です。

特許・意匠・商標で、イノベーションを保護する

このイノベーションを知財でおさえる際に役立つツールとして、知財ミックス戦略を、考えてみましょう。
知財ミックス戦略というのは、特許・意匠・商標で、イノベーションを保護する考え方です。
いまある、あなたの商品やサービスの価値自体を大きくしていく工夫が、イノベーションだと思います。
ですから、イノベーションは、そんなに壮大なものではなくて、全然、良いんです。

イノベーションに必要なコアを、ブランディング

一方で、あなたの商品やサービスの価値というのは、どんどん変化していって、商品の核となる技術以外にも、広がっていくものです。
そう考えますと、ブランドの考え方も変わってきます。
これからの時代、ブランドはその商品の価値を高めるもの全てと捉えなくてはいけなくなってきます。
もう、ブランドとは、企業名や商品名の商標のみではないんです。
つまり、イノベーションに必要なコアを、ブランディングしていくことが必要なんです。

イノベーションは、1つじゃない

でも、イノベーションに必要なコアって、1つじゃないかもしれないし、他にも簡単に真似されるものだと、ブランディングしにくいのではないかと考えますよね。
そうなんです、イノベーションって1つじゃないんですよね。
いろんな企業を見ていると、自社でいくつも試してみて、いくつかのコアができていく場合が多いのではないかと思います。

そして、そのために必要なのは、商品・サービスの世界観なども考えなくてはいけません。
どういうイメージを顧客へ与えられるか考えるということです。
そして、ブランドを育てて守るためには、商品の世界観を知財化する方法もあります。
さらにブランドを育てるためには、商品の世界観をさらに広げていくことも肝心なことです。
商品やサービスの拡張を単純に行うのではなくて、商品の世界観を広げていくブランドを作り上げることなんですよね。

急激に広がった、商標法の保護対象

そして、ブランドを育てて守るためには、商品の世界観を知財化するように徹底した方が良いでしょう。
みなさん、会社名や商品名のみを、商標申請すれば良いと思っていませんか?
実は、商標はさまざまなものを保護できます。
商標の保護対象は、文字や図形、立体的形状等に限られていましたが、2014年5月に商標の定義が見直されました。
これまで商標として保護することができなかった「動き」「ホログラム」「音」「位置」「色彩」なども商標法の保護対象として認められることとなりました。

色が保護される時代

たとえば、色自体が商標として保護されるんですよね。
例をあげるとしたら、セブンイレブンの看板のオレンジ、グリーン、レッドの組み合わせです。
他の商店は、この組み合わせで看板を作ることはできなくなります。
また、音商標は、音によって認識される商標のことです。
例えば、CMなどに使われるサウンドロゴやパソコンの起動音などは音商標です。
これらは、かなり強力な保護です。

一つの申請で同じコンセプトの意匠の権利が取れるようになった

もちろん、ブランドの保護に役立ちますが、広く事業実績がなければ認められない状況です。
デザインなどを保護する意匠法も、2021年4月に改正されました。
たとえば、同一のコンセプトに基づく形状や模様を別々の物品、たとえば、コーヒーかっぷ、湯飲み、コップに応用する場合は、まとめて一つの申請で権利が取れてしまいます。
これらは、関連意匠という、全く新しい制度で保護されるものです。
いままでは、一つ一つ権利を取らなければいけなかったんですよね。
商品の世界観の統一に役立ちますよね。

ディスカバリーに表示された画像データも保護に

また、それに先立って、2020年4月から、画像デザイン、建築物の外観・内装のデザインの保護も可能になりました。
大きな改正としては、意匠権の権利期間が大幅に伸びたことです。
最長で、出願日から25年の期間、意匠権を持つことができます。

こういった新しい保護を、ご自身のビジネスに積極的に取り入れて、ご自分の商品の価値自体を大きくしていく工夫をしていく必要があります。

顧客が体験した価値を、デザインやブランドとして、意匠や商標などでおさえると、自社に優位な立場を確立できます。
モノつくりで製品化した商品の核となる技術を、特許などの知財でおさえることも、従来通り重要ですが、イノベーションを知財でおさえる際に、知財ミックス戦略を、考えてみましょう。

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