特許権の存続期間をのばす方法とは

2021.04.10

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出願したら早く特許を登録させた方が良いことがいくつかあります。
何といっても、特許権の存続期間が伸びます。
特許権は、その出願から20年経ったら、自動的に権利が消滅します。
どんな特許でも一定期間しか、個人や企業には独占させないというのが、現代のルールです。

昔は、登録の日から権利の消滅するまでの期間をカウントしていましたが、いまの先進国ではどこも出願から起算することとなりました。
そのため、審査にだらだらと時間を掛けていては、ご自分の権利期間がどんどん短くなってしまうんです。

そうはいっても、特許庁に申請して何も連絡が来ないから、自分からは審査を早めるということなんてできないですよ、という方もいらっしゃいます。
違うんですね、実は、審査を早める申請方法もあるんです。
世界には、いろいろと審査を審査を促進させる制度がありますが、日本には早期審査という制度があります。

私は、この制度ができた25年くらい前から利用していますが、その際は始まったばかりの制度で、年間100件くらいしかありませんでした。
いまや、利用実績は年間2万件を超えています。

申請するには、ご自分の環境が、早期審査の制度の利用条件に該当するかどうかを確認しなければなりません。
出願人の環境や、発明の内容によって、利用できるかどうかが決まるんですね。

早期審査の対象になる出願環境は、全部で6つあります。
そのうち、よく使うものは、実施関連出願外国関連出願中小企業個人、大学、公的研究機関等の出願の3つです。

実施関連出願というのは、製品を実際に製造販売している場合や、2年以内に生産開始を予定していることを理由に、日本の出願の審査を早めてもらうものです。

外国関連出願というのは、日本国特許庁以外の特許庁、政府間機関に出願を行ったことを理由に、日本の出願の審査を早めてもらうものです。
中小企業、個人、大学、公的研究機関の出願というのは、出願人が中小企業、個人、大学、公的研究機関であることを理由に、日本の出願の審査を早めてもらうものです。

他には、最近、省エネCO2 削減の効果を有する発明も早期審査の対象になっています。
この申請を行うためには、自ら先行技術調査を行い、その対比説明をしなければいけないので、もし弁理士に依頼すると、その分、費用がかかります。
それでも、早期審査の結果は数週間、遅くとも1-2カ月後くらいで出るので、かなりスピーディーです。

先行技術調査とその対比説明の費用ですが、弁理士さんによって異なります。

大体、1つの発明で、数十万円から80万円くらいのレンジだと思います。
もちろん、特許庁からは詳細なガイドラインが出ていますので、それを参考に、ご自分で調査し対比説明しても構いません。

そのため、早期審査を申請できる環境の方は、積極的に申請して、早く特許を登録させるということを検討すべきだと思います。

これにより、ご自分の権利を少しでも長く独占することができますので、審査に4-5年かかってしまい、権利期間がその分、短くなってしまう事がありません。

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