今、世界に誇る日本製品が危ない!
アジアでは日本のファッションや食べ物が大ブームで、特にタイやベトナム、インドネシア人にはかなりの人気。日本のスポーツブランドにも注目が集まっています。
「日本の製品は安くて性能もいい」というブランディングがすでに出来上がっているのです。
世界中で起きたパンデミックが落ち着くと同時に、外国からの観光客も増えており、浅草や京都などでは多方面からの外国人観光客で賑わっています。
しかし日本に訪問することができる外国人は、一握りの比較的富裕層であるという事実をご存じですか?
日本に訪れる外国人観光客の何千倍もの人々は、日本や日本製品が大好きなのに、経済的な理由から、訪問することができないのが現状です。
「少しでも日本文化に触れたい」「日本の製品を購入したい」
というアジア諸国では、なんちゃって日本グッズやサービス、日本食などが出回り、ネット上でもさまざまな「日本風の」商品が販売されています。
同時に、日本生活雑貨の模倣品の流通も広がっており、日本の某有名雑貨ブランドのアロマデフューザーや時計など、本物か偽物か分からないレベルの商品が多く存在します。
時計やゲーム機などのブランド品も本物と偽物が区別がつかないほど精巧に作られているのです。
模倣品対策を疎かにしがちな日本の実情
中小企業も含めた日本の大手メーカーやブランド企業は、海外売上が多くの割合を占めています。上場を目指す企業も、国内シェアだけに頼るのは厳しいため、海外進出が必要な状況です。
しかし、多くの企業が海外の動向に疎く、各分野に特化した知識や専門家が不足しているのが実情です。
「特許」や「商標」など、法的な面でも問題がありますが、中でも「海外の模倣品対策」において、大きな課題が山積みなのです。
日本の法律業務は、縦割りで、弁理士、弁護士、行政書士、司法書士、税理士などがそれぞれ分野を担当しています。士業同士、お互いの役割や仕事内容を知らないことが多いのです。
弁護士は、会社間の契約や、法に関する実務を担当し、司法書士は会社の登記や不動産登記を担当します。行政書士は行政への申請手続きを行い、弁理士は特許庁や商標関連の登録業務を担当します。
海外では、弁護士が上記全ての業務を担うことがほとんどで、このような縦割りの業務分担が細かく存在するのは日本だけかもしれません。
さらに日本の大企業でも、「特許」や「商標」「海外の模倣品対策」をする部署に配置する人数も少なく、多くは、そういった部署が存在しないところも。
つまり日本の企業において、海外の模倣品対策が抜け落ちた状態なのです。これは海外の模倣品業者からしたら「しめしめ」の状態に他なりません。
日本の縦割り法律業務
弁護士
会計士
司法書士
加速するオンラインビジネス
コロナ禍により、世界中で圧倒的にネットショッピングの利用が増えました。
各業界は実店舗からの売上よりも、アマゾンや楽天などのオンラインプラットフォームからの売上が多くの割合を占めています。
特にインドネシアやフィリピンなどの地方では、ショッピングエリアが不足しており、何時間もかけて都市部に行かないと買い物ができない状況です。
アジア圏では、コロナ禍以前からネットショッピングが主流で、コロナ禍でさらに加速したといえます。
コロナの影響で商品の物流量と種類が増えると同時に、ネット上では本物の写真やウェブサイトを装った偽物の商品が出回るようになりました。
これにより、ネットで買い物をする顧客が本物と偽物を区別することが難しくなってしまったのです。
インドネシアでは、日本の楽天やメルカリの数倍以上の規模のネット販売企業のプラットフォームが存在しています。
海外のブランドを扱う大手のネットショッピングモールに掲載している海外ブランド製品や、日本のスポーツブランドも、実は偽物である可能性があります。
しかし、偽物の品質やクオリティーが高まっており、一般の人が見分けるのは困難です。例えば化粧品やバッテリーチャージャーなどの偽物は、品質や安全性に問題がある場合も。最近では医薬品の偽物も出回っています。
アジアでは風邪薬や目薬、生理用の薬などの医薬品や、医療機器の偽物が多数出回っています。特に医療分野では、カテーテルや手術用具などの代替品として偽物が使用されることもあり、患者の安全に影響する可能性があります。
また、医療機関や病院も利益を追求するため、模倣品だとわかった上で、安価な偽物品を使用することがあるという現実も。
さらに、車やバイクのパーツや化粧品など、さまざまな製品でも偽物が存在し、注意が必要です。特に海外では中古品や代替品が多く使用される傾向があります。
今こそ真剣に模倣品対策をする時!
私は弁理士として海外に進出する日本の企業に問いかけたいです。
「あなたの会社の製品は大丈夫ですか?」
「全然知らないところで、あなたの会社の模倣品が世界的に爆発的ヒットしてますがご存じですか?」
偽物品が、海外やネットで広がり続けると、どうなってしまうのでしょうか?
「本物の商品が正規の値段で売れなくなる」以外にもたくさんの危険因子があるのをご存じですか?
偽物品が海外で蔓延った先には、大事な商標や著作権が完全に乗っ取られる恐れがあります。
実はすでに、日本が誇る某有名生活用品ブランドや、某有名自動車メーカーの製品も、勝手に商標が取られているケースがあります。乗っ取られてしまった後は、法的な制裁が中々難しく、偽物品の撲滅は困難とされています。
タイで売られている某人気スポーツ用品の8割以上が偽物であり、企業は商標権の問題や現地登録の難しさから対策に苦慮しています。
偽物品の流通は早く、価格も安くなっており、製造工場やビジネスの在り方も変化しています。偽物品の輸出ルートも広がっています。
偽物品の製造工場は複数存在し、本物と偽物の区別がつかないくらいのクオリティーで仕上げる始末。宣伝広告費や研究開発費が不要なため、利益率が高いのです。
偽物品の流通はビッグビジネスとなり、悪徳模倣業者は豪邸に住み、フェラーリを乗り回しているとか。
現実を知れば知るほど「今の仕事を辞めて私も模倣品業者をやろうかな……」と気持ちが折れそうになります(笑)
3つのパクられ対策
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申請事業
日本企業が持つ独自の技術や高品質な製品は、海外からも一目置かれています。しかし「模倣品」という形で権利が蝕まれているケースが跡をたちません。大事な知財を守るファーストステップとして特許申請があります。
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摘発事業
模倣品を摘発しないまま放っておいた場合、知らない間に大事な知財がモノマネ会社に商標を奪われているケースがあります。知的財産の侵害商品を海外で摘発する場合、現地の裁判所や国家警察と太いコネクションや、摘発実績のある弊社にお任せください。
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教育事業
知財部で外部の弁理士を入れて、教育や対策を行っている企業はほんの一握り。誰もが名前を知る大手企業ですら、海外模倣品業者からしたら「ザル」です。弊社は国内外問わず、知財教育を20年近く行なってきた実績があります。